こんばんは。
かなりお久しぶりです、4年の里内です。
今回のブログの内容は説明するまでもないと思いますが、無事自家用操縦士になることができました!!!というご報告です!(ぱちぱち
今日は試験合格までの思い出(4年分)を綴りたいと思います。試験の詳細については最後の方に書くので、試験についてだけ知りたい人は、飛ばして読んでください。暇な方は、ぜひ全部読んでください。
遡ること4年前の春。ブルーサーマルという一冊の漫画に出会い、航空部に入ることを決意しました。その当時は阪大航空部の規模はかなり小さく、各学年2.3人いるかどうかというくらいでした。そんな中やる気にまみれた1年生が入ってきたため、先輩からの期待や愛情はかなり大きかったと思います。私自身も、早く初ソロに出て、ライセンスを取って、全国大会に出る!!と意気込んでいました。
1年生のうちに70発飛び、2年生最初のGW合宿で初ソロに出るはずが、着陸の精度の低さでお預けとなりました。結局その次の週の岐大合宿で初ソロに出たのですが、かなり悩んだのを覚えています。教官に注意されることよりも、自分が思うように飛べないことが嫌で、ランクルの裏でクヨクヨ泣いてました。(ランクルの裏は皆の涙スポットです。知らんけど。)
それからもソロに出るのには毎回苦労しました。初21ソロが3年生の春だったので、10回ソロに出るのに1年かかったという計算になりますね…
3年生の夏休みは2/3以上木曽川にこもり、そこでソロの回数が29発になりました。
その冬に30発目のソロに出たのですが、阪大21のJA2380にひとりで乗れてとても嬉しかったことを覚えています。
(この辺りで七大戦が入ります。運営委員長という肩書きでしたが、周りの方々に支えてもらってなんとか立てている程度の存在でした。ですが、1年かけて準備してきた大会が途中で中止となった時はさすがに悲しかったですね…阪大にとって久々の全国大会も中止になりました…)
話を戻します。よし!これで4年の春に受験できる!!そしたら全国大会にも出れる!!!と思っていた矢先に、そうです。あれです。コロナです。受験どころか、活動すらできなくなり、悲しみに暮れました。今だから話せることですが、少し部活から離れようと思っていた時もありました。4年生という幹部でもない微妙な立場なこともあり、どのように部活と関われば良いのかわからず、少し戸惑っていました。ですが、後輩がなんとか合宿を開催しようと奮闘している姿を見て、私もウカウカしてられないと思い、微力ながら部活動を支えようと心が戻りました。
久々に合宿をできた時は本当に嬉しかったです。やっぱり航空部は楽しいな!と思いました。それから、新人戦枠で行われた木曽川合宿でなぜかサブピストを務めたりしました。(もう何年も前のことのようです…)
やはりコロナ禍で、東海関西のいろんな大学から学生が集まり、そこにさらに試験官を呼ぶということは難しく、さあ受験!とはなかなかなりませんでした。このまま卒業かなあとぼんやり思っていました。
ですが、冬の少し前辺りから、なんとか試験を!というムーブがあることを知り、これはラストチャンスかも!!ということで、急ピッチで勉強を始めることにしました。谷垣教官、浅井教官には毎週毎週学科をしていただき、本当に感謝しかありません。
それから、実際に3月中旬に受験が決まり、慌ただしく準備を進めました。
試験の5日前、直前合宿のために木曽川入りした時は、緊張とプレッシャーで吐くかと思いました。4日前、フライト(主に着陸)(こいつまたか)が上手くいかず、涙が止まりませんでした。3日前、技量が無いと判断した人は帰ってもらうと言われ、もうプレッシャーどころではありませんでした。キャノピーを閉めて準備良しをかけるまでに涙が出るほど緊張しましたが、なんとかチェックをクリアし、あとはイメージフライトと勉強!となりました。
2日前と1日前は、ひたすら皆で勉強したり、出発前の確認の練習をしたり、当日に向けて着々と準備を進めていました。私は特に工学と気象が苦手だったので、他の受験生5人におんぶにだっこで助けてもらいながら、勉強しました。気象については、試験3日間は良い天気ということで、難しい表記や単語がなかったのが幸いです。
〜〜〜〜ここから試験当日について〜〜〜〜
さて、実地試験1日目!いつも通り6時に起床し、まずは宿舎の掃除をしました。そして待機部屋(勉強部屋)に各々必要な荷物を運び、試験官の到着を待ちました。皆程々に緊張していて、ちょうど良い空気感でした。
この日はかなり強い北西風が予想され、フライトはせず受験生全員6人分の口述試験を行うことになりました。一人あたり大体30〜50分ほどで、特に問題なく全員パスすることができました。
出発前の確認はフライトの直前に行うため2日目にすることになったので、この日の夜はその練習と、NOTAMの読み込み、気象の確認を行いました。
この時点では西風が予想されたため、普段のイメージフライトに加え、横風時のイメージフライトも行いました。
そして実地試験2日目。この日も9時頃に試験官が到着し、一人ずつ出発前の確認を行いました。そしてお昼前にランウェイへ移動しました。
ランウェイでは予想通り西風が少し強めに吹いており、イメージ通り飛ぼう!と思っていました。が、1人目のフライトの様子が何やらおかしい…どうやらこれはかなり上空が荒れているらしい…2人目のフライトも何やらいつもとは違う動きをしている…なぜだ……
ウェザブリでもかなり条件が見込めることはわかっていたので、さすがになぜだとはなりませんでしたが、上空がとにかく荒れているということだけが伝わってきました。そのまま3人目である私の番に…
500mで離脱し、離脱直後からずっと−3〜−4の沈下。とにかく翼が煽られ、まっすぐ飛ぶのも難しい状況。こんな中で失速課目なんかできるか!!!!と思いながら(イラつきながら)、ダイブ開直線完全失速を行いました。このまま急旋回もやっちゃおうと思いましたが、沈下が酷すぎて、途中でキャンセルをし、場周へ入り着陸しました。(後にこの判断は褒められることとなります…)
いやこの調子やと5つの課目をこなすのに5回飛ばんと無理やぞ??なんて思いながら2回目のフライトへ。430mで離脱後、あれやこれやと持ち上げられ、気付けば高度は500mを超えていました。なんやねん!!!と思いながら、余裕を持って残り4つの課目を行うことができました。(ずっと+2〜+3…まじでなんやねん…)全部の課目が終わっても、まだ高度400mくらいだったので、やり残した課目ないかな?なんてのんびり考える時間もありました。どうやって高度を落とそうかなと考えていたら、たまたま−3くらいの沈下に当たったので、そこで3〜4周旋回をして高度を落とし、場周に入り着陸しました。
着陸は2回とも酷く、フレアはよくわからないことになり、地上滑走もどこ行くねんレベルで、こりゃ落ちたな、という感触でした。
試験官もさすがに上空で非常時の操作については聞けなかったようで(多分、知らんけど)、着陸した直後に無線アウト時の対処について質問されました。
フライト中は集中していたので大丈夫でしたが、着陸してからは緊張の糸がほどけ、経験のないバチ荒れの空があまりにも怖かったので泣いてしまいました(笑)そしてお腹が空いていたことを思い出し、お昼ご飯を食べました。
あとは残り3人のフライトを見届け、宿舎へ戻りました。
宿舎で結果発表を待つ間は、もう絶望で放心状態でした。30分ほど待つと呼ばれ、反省と講評の時間となりました。講評の前に結果発表だったのですが、"合格"と聞いた時は、まじかよ…と思いました。その後一人一人講評をしていただいたのですが、上空を思い出したり安堵したりで感情がぐちゃぐちゃになり、これまた涙が出ました。
それから受験生と教官と試験官で記念撮影をし、試験官のお見送りをしました。
そしてランウェイに戻ると、合宿組の皆が「おめでとう!」と出迎えてくれ、本当に嬉しかったです。
その夜はむねちゃんに行きました。1週間ぶりに宿舎とランウェイ以外の場所に行き、お弁当以外のものを食べたということで、いつもの500倍以上美味しく感じました。また食べたいなあ…
というわけで、3日間の予定が2日間で試験終了となりました。本当に濃い1週間でした。
この試験で感じたことは、とにかくどんな状況にも慣れる必要があるということです。横風が強いから飛びたくないなんて言ってる場合じゃないです。例え横風であろうと、正対風が10m/s吹いていようと、それは絶好のチャンス!と思って、飛んで練習するしかないです。試験当日、横風が強いので飛びませんなんて言えません…
それと、試験官を乗せて飛ぶのはどう頑張っても緊張するので、緊張しながら飛ぶことに慣れる練習も必要だと思います。あなたが怖いと思う教官と一緒に飛びましょう。
これからは、全国(全世界)津々浦々の滑空場にお邪魔して、いろんな空を飛びたいと思います。これからも皆様よろしくお願い致します。
あとは特に工学が苦手な文系の後輩達のために、「文系による文系のための文系的航空工学」でも教えてあげようかなというところです。
最後に、今までお世話になった方々に感謝を述べて終わりとさせていただきます。
直前にたくさんご指導くださった宮地教官、松村教官、本当にありがとうございました。お二人にしごいていただいたお陰で、良い結果を得ることができました。
毎週何時間も学科に付き合ってくださった谷垣教官、浅井教官。あの学科がなければ、口述試験に自信を持って挑むことはできなかったと思います。ありがとうございました。
今まで一緒に飛んでいただいた教官方、色々なことを教えてくださった先輩方、仲良くしてくれた同期、後輩の皆、本当にありがとうございました。
おまけ.
豪華な差し入れをくださった浅井教官、高田教官、堀さん、山口さん、えみ先輩、たなべ先輩、石岡、荻田、村上。全部めっっっちゃめちゃ美味しかったです!本当にありがとうございました!!!